複製技術と美術家たち

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01_複製技術と芸術家

横浜美術館で展示されている
複製技術と美術家たち -ピカソからウォーホルまで」(会期4/23〜6/5)
を観てきました。

僕は卒論を複製芸術に関するテーマで書いた事もあり、今日まで「複製される事が前提で、同じものがたくさんある」芸術や文化に関心を持ち続けています。
しかし複製物が溢れている今日、複製芸術という視点に関心を持っている人は少なく、関連書籍も少ないです。
ましてや、複製芸術がテーマになっている展示会は、寡聞にして聞いた事がありません。
そういう訳なので横浜まで観に行ってきました。

ホームページによると、主催者側の趣旨は

ドイツの哲学者ヴァルター・ベンヤミン(1892-1940)は、写真発明以降「複製技術」の発展・普及によって、人々の感じ方や芸術作品の受け止め方、芸術への期待が大きく変化し、絵画や演劇などの伝統的な芸術作品にとって危機的状況が生まれたと指摘しました。
実際、20世紀には古典的な美術のイメージを払拭するさまざまな潮流が登場しました。
(中略)
こうした20世紀の美術史を「複製技術」という時代背景から見直すことで、芸術作品の危機に対する美術家たちの挑戦として読み解くことが本展のねらいです。

僕の為に企画された展示会と言っても過言ではありません。

しかし期待の一方、不安もありました。
僕が卒論で検討を試みたのはレコードについてであり、美術に関しては正直疎いのであります。
展示される作家達のうち、名前を知っているのは1/5ほどで、さらに作風が分かるのは数人というお粗末な状態です。

しかしそれは杞憂に終わりました。

ベンヤミンは著書「複製技術時代の芸術」の中で、複製技術に触発された画家たちの様々な試みを述べています。
今回の展示では、それらの挑戦的な試みが系統立てて展示されていました。
従って美術全般に関して疎い僕にも、興味深く鑑賞する事が出来ました。

また、複製を前提として生まれた写真の歴史も興味深いものでした。
レコードと同じように写真が「記録」の手段から、写真でしか出来ない表現を獲得していく過程を、展示作品を通して理解する事が出来ました。

今回は横浜美術館と富士ゼロックス版画コレクションとのコラボであり、ゼロックス(コピー機)を用いた「ゼログラフィー」の作品も展示されていました。
興味深かったのは、コピー機を用いて自分の顔を色々な角度からコピーした作品と、コピー機の上でロウソクに火を点け、燃えていく様子をコピーした作品です。
これらは本来同じものを複製するコピー機から、同じものが二つとない「1回性」を引き出そうしたものであり、非常に挑戦的な試みであると感じました。

 

写真だけではなく映画やレコード音楽など、高度に独立した複製芸術が確立された今日に生きる我々とにとって、今にしか無く、かつここにしか無いという「アウラ」に依存したオリジナル芸術と、アウラに依存しない複製芸術は、もはや対立するような関係ではありません。
今回の展示を通して、両者がそれぞれの持つ特性を際立たせる事により、共に発展して行くのが健全な姿では、との思いを改めて感じました。

最後に、今回の展示会で提供された富士ゼロックスのクラウド発信型音声ガイドサービス「SkyDesk Media Trek」を紹介します。
このシステムは、予めスマートフォンにアプリ「SkyDesk Media Trek」と音声ガイドをインストールする事で、指定された場所で音声ガイドが自動的に再生されるというものです。

02_SkyDesk Media Trek

音声ガイドは「ブック」として右下の「ブックストア」から入手します。

03_SkyDesk Media Trek

音声ガイドは今回のような展示会だけでなく、観光地のガイドが数多く用意されています。これらの音声ガイドをダウンロードすれば「マイブック」に登録されます。

04_SkyDesk Media Trek
観光地のガイドでは、【ガイド開始】ボタンをタップしたあとは、ガイドポイントに近づくと、自動で音声ガイドが再生される仕組みになっているようです。
今回のような展示会では、さすがに「作品の前で自動再生」は無理らしく、下のようなメニュー画面が用意されていました。

05_SkyDesk Media Trek

これらをタップすれば、音声解説がスタートします。
音声ガイドは途中で止めたり、最初から聞き直したりする事も出来ました。
ただし帰宅後試してみたところ、音声解説を聞く事は出来ませんでした。
位置情報により再生場所に制限をかけてるようです。

今回このシステムで、作品を前しての解説を繰り返し聞くことが出来たので、作品の理解にとても役立ちました。

しかし位置情報を頻繁に参照している為か、電池の消耗は激しかったです。入館時はほぼ満杯の状態でしたが、3時間ほど観てまわると20%まで消耗していました。

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