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オオカミが教えてくれたもの

僕がよく釣りをする安曇川上流に、ニホンミツバチの巣箱を置いている人たちがいます。
先日その巣箱が熊らしきものに襲われ、残念ながら巣箱は撤去されてしまいました。
その撤去作業時に、たまたま近辺に居合わせた僕。色々と興味のあるお話を聞かせてもらう事が出来ました。

その際、北米で野生のオオカミの復活をテーマにしたドキュメンタリー映画のDVDを拝借した。それはBS朝日の「BBC地球伝説」を録画したものでした。

拝見してみると非常によく出来たドキュメンタリー映画で、生物多様性の重要性への理解を深める事が出来ました。

生物多様性の重要性というのは、ちょっと解りにくいところがある。
うなぎが絶滅すると、うなぎ好きは困るでしょうが、自然というシステムへの影響を具体的に示す事は難しい。
トキの保護には大きな関心が向けられましたが「トキがいなくて何が困る?」という問いへの答えは難しいです。
今日まで数えきれない程の生物が、人の手によって絶滅に追いやられて来たましたが、自然というのは巨大で、極めて複雑なシステムなので、その影響はあまり表面化しません。
しかし自然というシステムにも弱点があり、そこを突かれると一気に影響が顕在化します。

オオカミが環境に居なくなると、自然というシステムは大きな打撃を受ける。

日本でも鹿が増え過ぎた為、農作物だけでなく、自然の草木にも深刻な影響が出ています。

ビデオで紹介されている北米でも、オオカミが居ると鹿は1カ所に留まらなくなるので、草木を根こそぎ食べてしまうような事は無くなるとの事でした。

自然のように極めて多くの構成要素が複雑に作用し合う巨大システムは、その構成要素が一部欠けても影響が顕在化し難いような仕組みをもっている。そのお陰で生物多様性の重要性を切実に感じる事は少ない。

オオカミは、自然という巨大システムにも脆弱性が存在する事を我々に教えてくれる。

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