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イッカク獣とカブトムシ

1本の長い牙をもつ、イッカクという海獣がいる。

イッカクは強い雄がハーレムを形成する。
では強い雄とはどうやって決まるのか

イッカクの長い牙から、壮絶なバトルが想像される。
しかし実際は、牙の長さ比べによって勝敗が決まるという。
勝負する雄たちは牙を海面上に高く突き上げて、より長い牙を持つ雄が勝者となる。

この話を聞いた時、一撃で相手を死に至らしめる事が可能な牙を持っていながら、それを武器として使わないという知恵に、いたく感動した。

イッカクは我々人類と同じほ乳類である。
しかしこのような知恵は、我々がより下等な動物と考える昆虫の中にもあるという事を、最近読んだ本で知った。

その本は「昆虫はすごい (光文社新書)」という本である。
そこには、人間によって行われてきた農耕や奴隷制度などの営みが、人間より遥か昔から昆虫によって営まれていた事が、豊富な例で示されている。
なんと「自爆テロ」を行う昆虫もいるらしい。

カブトムシは餌場を守るためにその長い角を使うが、実際には角を使っての実力行使は滅多に行われず、イッカクと同じように角の「長さ比べ」で勝負がつていしまうそうである。

イッカクの場合もカブトムシの場合も、長い長い進化の過程でこのような高等な知恵を獲得したと想像される。

人間が同様の知恵を獲得するには、あとどれくらい年月が必要なのだろうか。

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