是枝裕和監督作品「ラストシーン」に思うこと
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この30分の映画は、Appleが現時点で最新のiPhoneのプロモーションの為に、是枝裕和監督を起用し、iPhone16Proを使って作られたショートムービーであります。
言うまでもなく、Appleは最新のiPhoneの凄さを示したかったのでしょうが、図らずも是枝監督と役者や撮影スタッフの技量の凄さが際立った出来となっています。
普通に考えれば、最新のiPhoneと言えどプロ用の撮影機材のとの差は、レンズの口径だけ見ても相当あるはずです。
にも関わらずこの作品が素晴らしいのは、是枝監督と役者や撮影スタッフのセンスと技量が、機材のスペックの差を凌駕してしまう程に凄い!、と感じてしまうからです。
この感覚は、テレビ放送のハイビジョンへの移行期に感じでいた感覚に通じるものです。
当時「ハイビジョンはこんなに凄いんです」と紹介されていた作品より、それまでの古い規格で作られていた作品の方が凄い!、と感じられる事が、結構多くありました。
ドラマで言えば、「北の国」のような作品は、映像作品の質とは何ぞや?、と考えさせられたものです。
結局感動する映像作品というのは、画素数の多さなど機材のハードウエア面のスペックよりも、詰まるところ作り手のセンスと技量に大きく依存する、という事を再確認させられた「ラストシーン」でありました。
因みに13年前、是枝監督の撮った傑作テレビドラマ「ゴーイングマイホーム」が低視聴率だった事と重ねて見ると、ストーリー面でも深く考えさせられる内容となってます。
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